こんにちは、古民家再生LABOのイシです。今日は屋根の話をします。
ウチの実家の古民家は茅葺(かやぶき)といって、今では殆ど見かけない屋根です。見かけないけど、来る人はみんな「懐かしい~」と言いますw

茅葺と言えば、岐阜の白川郷を思い出す人が多いと思いますが、世界遺産や重要文化財ではなく、自宅で茅葺を使うというのはここ東京ではそうそういません。
かつてこのエリアは農村だったので、自宅が茅葺というのが当たり前でした。地区ごとに茅葺職人がいて、ある家が葺き替えの時期になると、各地区から職人達が集結して一気に葺き替えを行うというのが慣例でした。人手が必要な時にお互い助け合う精神、今で言うシェアリングエコノミーってのは、当時からあったんですね。
私も中学生の頃1度だけ葺き替えを経験してますが、本当に大作業です。何十人もの職人さんが来て、お祭りのように一気に葺き替えをしていく。。
ただ作業中は毎日茅のくずが空中に舞っていて、目と喉がやたら痛かったことしか思い出せません。母はいつも人数分のお茶碗がないって騒いでいたし、とても忙しかったですが、出来上がった茅葺屋根はそれはもう美しかったです。当時の職人さんがやたらカッコよく見えました。
さて、一度葺き替えをしてしまえば、後は特にやることはありません。あるとすれば「虫食い防止」位でしょうか。
虫食い防止とは、茅葺が虫に食われないよう、火を燃やして茅の中に煙を通すことです。
当時の生活では、日常の炊事で火を使っていたので特別な作業では無かったですが、、、日本人の知恵ですね。
今、実家の古民家では、誰も住んでいないので、毎晩父がウイスキーを飲みながら薪をくべる「作業道楽」をしています。
こちらは朝の靄(もや)ではなく、排煙です。
これは朝のシーンw たまに朝も燃すんですww
うちの古民家も最後の葺き替えから30年が過ぎようとしています。そう、葺き替えの適齢期ですね。
苔の繁殖や湿気の重みによるズレ、それと雨漏りも始まってきて、現在は写真の様に中央はカバーをしいています。

これ、いつも「太陽光ですか?」って言われるんですよね〜
見た目はそんなに悪くないですが、いわゆる応急処置。どこかで葺き替えをやらないといけません。
しかしこの時代、葺き替えが出来る職人さんはそういません。原材料の茅を育てる「茅場」だって殆ど無くなってしましました。
あと一番の問題はお金。
色々聞くと、この規模だと1000万はかかると言われています。
そんな差し迫った状況←イマココ、ですがそこはネットの時代、こうやって情報発信してれば何かしら引っかかるだろうと思っていますw
という訳で、茅葺問題で悩んでいる方、茅葺屋根に詳しい方、興味のある方、是非是非つながりましょう!ご連絡はこちらからお気軽にどうぞ!
イシでした。
イシ
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